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映画作品から喚起されたこと そして 想い起こされること

by Tom5k

『世にも怪奇な物語 第2話 影を殺した男(William Wilson)』③~ルイ・マルの作家主義その2~

 ルイ・マル監督の代表作、それは映画史に残る傑作『死刑台のエレベーター』です。
 この作品で彼が目指したもの、それはロベール・ブレッソンの助監督をしていたときの経験において、その作品への崇拝から“ブレッソンの映像”と張り合おうとしていたものであったこと、と同時に「ヌーヴェル・ヴァーグ」カイエ派の評論家たちが絶賛していたアルフレッド・ヒッチコックのような“映画のプロット”の追求であったとのことです。

 このようなことから察すれば、『死刑台のエレベーター』が、人間がその内奥で苦悩する問題にまで掘り下げたテーマを追求するところには、残念ながら至らなかった作品でもあるのです。もちろん、映画として必ずしもそのことが必要であったわけではないと思います。
 『死刑台のエレベーター』は、その映像の素晴らしさや、映像と音楽の一致・照応、ストーリー・プロット等において、映画史に残るセンセーショナルな作品であることは言うまでもないわけですから・・・。
 アンリ・ドカエのカメラ、特に好感度フィルムの使用によるライティングなしの夜間撮影、モダン・ジャズ・トランペッターのマイルス・デイヴィスによるシネジャズとういうジャンルの確立、ジャンヌ・モローの新しいセックス・アピールによるキャラクターの開花等々、あらゆる映画のエッセンスが革新されることになった作品です。
死刑台のエレベーター
ジャンヌ・モロー / / 紀伊國屋書店





 そして、ルイ・マルが『ウィリアム・ウィルソン』の前段に位置する主人公を登場させている『鬼火』です。

 この作品の制作過程では、ルイ・マル監督の自身の経験や作家としてのテーマが映画での表現として確立されていきます。
 ピエール・ドリュ・ラ・ロシェルの原作を使用し、シナリオの共同作業を止めて初めて自分一人でシナリオを書き上げたこと、『死刑台のエレベーター』と同様に、今度はエリック・サティのピアノ曲「三つのジムノペティ」を挿入し、モーリス・ロネへの厳しい演技の指導や、少人数のスタッフで行ったモノクローム・フィルムのオール・ロケーション撮影、などを含めて、一本の作品を撮影中でも編集中でも、完全に管理できた最初の作品はこの『鬼火』からであったそうなのです。

 主人公アランは、ルイ・マル本人の投影でしょう。年齢や経験から社会的な役割を担えず、それを社会に埋没することとしか理解できず、孤独に蝕まれ自殺によって自己を表現するしかなくなってしまうモーリス・ロネが演じる主人公のアラン。
 彼の自殺は、かつて『望郷』でジャン・ギャバンが演じたペぺル・モコが、犯罪者として社会から疎外され、パリと恋への執着に絶望して死を全うした旧時代のロマンティシズムとは全く異なり、戦後のパリ、『死刑台のエレベーター』で描かれていたような近代的で無機質なパリでの孤独な死であり、ニヒリズムが透徹してしまった陰鬱な死なのです。
望郷
/ バンダイビジュアル





 また、そういった経緯から、『鬼火』は、自分自身の内奥の苦悩を語った初めての作品であり、興業的なものは全く意識されておらず、ルイ・マルが自分自身だけのために制作した作品であり、更に彼の作家としての自覚が強く生み出されていった作品だったといえましょう。
鬼火
モーリス・ロネ / / 紀伊國屋書店





サティ 2
エリック・サティ / / マイスターミュージック





 ルイ・マルは、『世にも怪奇な物語 第2話 影を殺した男(William Wilson)』の制作動機のひとつについて、次のように語っています。

「(-略-)私は怒りっぽく、不機嫌になり、“一体私はここで何をしているんだ?”と自分に問いただしていた。むろん、こんな条件の撮影を引き受けなければよかったんだろうが、私はこのストーリーの核である《分身》というテーマにとても興味をもっていたんだ。映画が公開された折、精神分析者である友人が、私にこう言った。“君は転機を迎えているんだよ。つまり、君は迷いの時期にあって、自己の存在に疑問を抱いているのさ。だから、君が分身をもった男のストーリーを作ることになったのは、それほど意外なことじゃないよ。”しかし、この小説を読んだ時には、私は自分の問題に全く気づいていなかった。(-略-)」


フィリップ・フレンチ
「そして、またこの映画(『世にも怪奇な物語 第2話 影を殺した男(William Wilson)』)でもあなたが繰り返すテーマのひとつである自殺が、哲学的命題として提出されています。ウィルソンはもうひとりの自分を破壊していくわけですが、これをあなたはポーの原作よりもはっきりと描いていますね」

ルイ・マル
「(-略-)わたしは無意識のうちに思っていたよりかなり個人的な要素をこの作品に盛り込んでいた。このウィリアム・ウィルソンというキャラクターは『鬼火』の主人公の延長線にある自己喪失の危機に陥っている男であり、私はこれを撮影した時の気分でオペラのような劇的なイメージに作り上げていた。」

 ルイ・マル監督のこの『世にも怪奇な物語 第2話 影を殺した男(William Wilson)』での作家主義は、これらの言葉にすべて集約されているとわたしは思います。




 また着目すべきは、彼の演出における俳優についてです。
 彼はジャック・イブ・クストーの『沈黙の世界』などで海洋ドキュメンタリーでデビューし、ロベール・ブレッソンの助監督をした経験などからもわかるように、プロの俳優を初めて使ったのは『死刑台のエレベーター』からでした。
沈黙の世界
ドキュメンタリー映画 / / コロムビアミュージックエンタテインメント





 ですから、俳優の演技指導に関わっては、経験的に極めて不得手であったと述懐しています。
 考えてみれば、ルイ・マルの作品に出演していた時点では既にスターであった俳優、モーリス・ロネ、ジャンヌ・モロー、ブリジット・バルドー、ジャン・ポール・ベルモンドたちも、元来は低予算の「ヌーヴェル・ヴァーグ」作品で活躍していた、しかも気心の知れた自分の仲間たちばかりです。
恋人たち
ジャンヌ・モロー / / 紀伊國屋書店





地下鉄のザジ
カトリーヌ・ドモンジョ / / 紀伊國屋書店





パリの大泥棒
/ 紀伊國屋書店





ビバ、マリア
/ 紀伊國屋書店





 確かに、この『世にも怪奇な物語 第2話 影を殺した男(William Wilson)』のラスト・シークエンスでさえも、教会から飛び降りて自殺したアラン・ドロンが扮するウィリアム・ウィルソンを覗き込む老人たちは、プロの俳優には見えません。この作品の幻想的でフィクショナリーな内容が、最後の最後に、もしかしたら、これはリアルな現実であるのではないのか?との想いが、突如、喚起されてくるような効果を生み出してくるのは、このような素人をティパージュ(型・典型)として配置した編集の結果からなのではないでしょうか?

 ともあれ、ルイ・マルが「ヌーヴェル・ヴァーグ」出身以外の本格的なスター俳優、職業的俳優を中心においた作品は、アラン・ドロンを使ったこの『世にも怪奇な物語 第2話 影を殺した男(William Wilson)』が、初めてだったとも言えるのではないでしょうか?

ルイ・マル
「ストーリーは素晴らしかった。しかし、私はかなり妙な気分だった。とても憂鬱で暗く、ほとんど自殺したいような気分だった。アラン・ドロンには苦労したよ。彼は私が一緒に映画を作った俳優の中でもかなり気難しい、いや、最も難しい俳優だった」

フィリップ・フレンチ
「どう難しかったのですか?」

ルイ・マル
「彼の気難しさには定評があった。ドロンはもともと指図されるのをとても嫌がるんだ。彼はこの映画のあとすぐに自分がプロデューサーになって、周りの人々にいばりちらしていた。そして、私は、ドロンの誠実さと才能にもかなり疑問を抱いていたので、私たちは撮影現場で絶えず口論するようになり、非常にやりにくくなっていた。(-略-)」

 しかしながら、上記の哲学的命題ともいえるルイ・マルの自己喪失や二重自我の問題に関わってのテーマは、そもそもデビュー当時からのアラン・ドロンの専売特許ともいえ、それは彼のキャラクターに一分の間隙もなくあてはまるような気がするのです。

『太陽がいっぱい』では、ブルジョアの青年に対する愛憎から、犯罪によって自分が彼に成り切ろうとしてしまう貧困な青年、
『生きる歓び』では、テロリストの英雄に憧憬し、テロリストに成りすます救護施設出身の青年、
『フランス式十戒「第6話 汝、父母をうやまうべし、汝偽証するなかれ」』では、本当の“自分の母親”の不良性向に絶望する学生、
『黒いチューリップ』ではひ弱なインテリ青年の弟と、義賊の兄の二役、

など、自国フランス作品で、このようなキャラクターを確立してきた経緯があります。
 すでに彼は、この作品に出演するまでの間に、自己を喪失したり人格を分裂させてしまったりする主人公を、これほど何度も演じてきているわけです。

 ただ、これらの作品は、「ヌーヴェル・ヴァーグ」の映画作家たちが息の根を止めてしまうほど徹底的に批判していった「詩(心理)的レアリスム」の演出家たち、ルネ・クレマン、ジュリアン・デュヴィヴィエ、クリスチャン・ジャックの作品ばかりなのです。
 そして、ルイ・マルにとっても、彼が「ヌーヴェル・ヴァーグ」カイエ派に帰属する作家ではなかったとはいえ、やはり「ヌーヴェル・ヴァーグ」運動の体系では主たる位置を占める映画作家です。「詩(心理)的レアリスム」の作品、その俳優を再評価するキャパシティなど確立し得ないことは無理のないことです。

 アラン・ドロンのルイ・マルに対する憤りや不誠実も、そのことを考えれば納得できるような気がします。逆に彼がもし、ルイ・マルに対して優等生的に信頼関係を構築などしていったのだとしたら、それはむしろ自分を育ててくれた師匠たちに対して、不誠実極まりない行動だと、わたしには感じられます。


 しかし、ルイ・マルは、誰しもが周知しているとおりのこれだけ優れた映画作家です。したたかにアラン・ドロンの資質を見抜き、彼のその特徴を自作に適合させる演技指導を、無意識ともいえる独自のものとして、撮影中に定着させていったようにも思えるのです。
 しかも、華やかなハリウッドから帰還したばかりの大スターであるアラン・ドロンだったとはいえ、彼は元来、ルキノ・ヴィスコンティやミケランジェロ・アントニーオーニ、ルネ・クレマンに磨きをかけられ、鍛え抜かれた、リアリズム映画の俳優でした。

ルイ・マル
「(-略-)不思議とドロンは適役だったが、私に対する怒りがうまく役に合ってたんだと思う。だから、私は撮影中は絶えずドロンを怒らせることに精を出したんだ!」

 どうでしょう?このしたたかさ!
 アラン・ドロンを嫌悪し、彼の誠意も、才能すら信じていないルイ・マルは、逆にそのことを利用して、これだけ素晴らしいウィリアム・ウィルソン像をアラン・ドロンにおいて確立していったのです。

 そして、ルイ・マルと対立しながらも、ウィリアム・ウィルソンを演じきったアラン・ドロン!

 


南俊子
「今までに、どんな作品が印象に残ってらっしゃいますか。」

 映画監督である斎藤耕一氏は、アラン・ドロンの熱烈なファンであった映画評論家の南俊子氏のアラン・ドロン作品に関するこの質問に、次のように回答しています。

斎藤耕一
「ぼくはね。オムニバスの「世にも怪奇な物語」、あの中で自分自身がもう一人でてくるの・・・。現代ものももちろんいいけど、ああいう世界の男というのが実にいいと思いますねえ。(-略-)」

【(『デラックスカラーシネアルバム5 アラン・ドロン 凄艶のかげり、男の魅力 斎藤耕一+南俊子《ドロンを語る》現代的な感性を表現できる不思議な人』南俊子責任編集 芳賀書店)より引用】



【参考・引用】
『マル・オン・マル/ルイ・マル、自作を語る』フィリップ・フレンチ著、平井ゆかり訳、キネマ旬報社、1993年
マル・オン・マル―ルイ・マル、自作を語る
/ キネマ旬報社
by Tom5k | 2008-05-24 22:13 | 世にも怪奇な物語(3) | Trackback(10) | Comments(27)
Tracked from 寄り道カフェ at 2008-05-25 19:49
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LE FEU FOLLET THE FIRE WITHIN [米] 1963年/フランス/108分 映画というのは、ジャンルは様々だけれど、そこに幾人かの人が登場し、人と人が絡み、そこにおきる事件なりドラマが描き出される。そして、そこには当然、様々な感情のドラマがある。 こういうのが続くと、ちょっと無機質な映像が観たくなる。数日前から棚から出していたルイ・マル監督の「鬼火」。音楽はエリック・サティ。曲は「ジムノペディ」「グノシエンヌ」久しぶりに聞いてみたい。 人生の虚...... more
Tracked from Audio-Visual.. at 2008-05-25 20:12
タイトル : 死刑台のエレベーター Ascenseur pour L'..
巨匠ルイ・マル監督の長編劇映画デビュー作品であり、又最高傑作でもあります。 特にモダンジャズの取り入れた方がマサにヌーヴェル・ヴァーグです。... more
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☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 1957年フランス映画 監督ルイ・マル ネタバレあり... more
Tracked from 寄り道カフェ at 2008-05-27 21:05
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ブログ始めて一年になりました。 開設したばかりのブログを削除してしまうというお馬鹿もありましたけど、ブログに足を踏み入れた4月16日が私のブログ記念日。 1年を記念して、なにか気のきいたこととか、これぞと紹介できる映画など思いつくはずもなく、どったらこったらの一年を振り返ってみたいと思います。 「ブログやったら?」 友人のそんな一言で、そうねぇと、何の目的もなく、日頃観たら観ッ放しの映画の感想なども日記つける感覚で書き留めていくのもいいかなって思って始めたこのブログ。 いざ始めてみる...... more
Tracked from 楽蜻庵別館 at 2008-05-28 10:33
タイトル : <沈黙の世界> 
1956年 フランス 83分 監督 ジャック=イヴ・クストー  ルイ・マル 脚本 ジャック=イヴ・クストー 撮影 エドモン・セシャン 水中撮影 ジャック=イヴ・クストー  ルイ・マル      アルベルト・ファルコ  フレデリック・デュマ 音楽 イヴ・ボードゥリエ 出演 ジャック=イヴ・クストーとカリプソ号の乗組員(ダイバーや、大学や研究所、博物館の研究者達)... more
Tracked from 寄り道カフェ at 2008-05-31 00:22
タイトル : 「世にも怪奇な物語」
TRE PASSI NEL DELIRIO HISTOIRES EXTRAORDINAIRES [仏] SPIRITS OF THE DEAD 1967年/ フランス・イタリア/122分 本作は、ブログ“時代の情景”のTom5kさんが『鬼火』の記事に訪問してくださってTBで紹介いただいた作品。 監督ルイ・マルがその作品を通して、人間の内奥における苦悩を追及する彼自身の精神史ともいえる作品として「死刑台のエレベーター」そして「鬼火」を経て「世にも怪奇な物語第2話:影を殺した男(Wi...... more
Tracked from 良い映画を褒める会。 at 2008-06-14 13:02
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☆☆☆☆☆(10点/10点満点中) 1963年フランス映画 監督ルイ・マル ネタバレあり... more
Tracked from マジック・映画について思.. at 2008-06-16 22:06
タイトル : 死刑台のエレベーター/Ascenseur pour l’..
1957年に撮影されたルイ・マル監督のデビュー作です。正確に言うと前年にジャック=イヴ・クストー監督と共同で『沈黙の世界』を監督しているので、2作目ということになるのでしょうか。 私がこの映画を初めて観たのは中学生の頃でした。ジャズ好きで新しいもの好きだった叔父の家に遊びに行った際、叔父が持っていたレーザーディスクを観せてもらったのです。当時としては最新鋭のデジタル映像機器であるレーザーディスクから再生される57年のモノクロ映像。当時の私はルイ・マルはおろか、モーリス・ロネもジャンヌ・モ...... more
Tracked from 映画と暮らす、日々に暮らす。 at 2012-04-07 16:45
タイトル : 鬼火(仏)
カンヌかどっかの貴重なショット。 私の記憶に間違いなければ、左から ルルーシュ、ゴダール、トリュフォー、アントニオーニ、ポランスキー。 ルイ・マルがいないってことは、 ...... more
Commented by koukinobaaba at 2008-05-25 19:28
「Tom5k」さん、お久しぶりです!
「Audio-Visual Trivia」のkoukinobaabaです。
きっと再開して下さると思い首を長くして待っていました。これからも宜しくお願いします。
Commented by mchouette at 2008-05-25 20:01
トムさん、はじめまして。TBとメッセージありがとうございます。
オカピーさんや用心棒さんとはとても熱い意見交換されていて凄いなって思ってました。
いやぁ、とっても刺激的な文章にゾクゾクです。
「鬼火」みて「世にも怪奇な物語 第2話 影を殺した男(William Wilson)」みたら、ハマリそう(笑)これは未見でした。早速に…です。
私なんかは映画を感覚的にしか語れないので、オカピーさんや用心棒さんなどのレビューにはとても刺激を受け、私にはなかった視点なども教えてもらうだけに終始してるんですけど、映画が更に面白くなっていく。
私の方からはトムさんを刺激するようなものとなると自信ないのですが、逆に私は大いに刺激され、こちらこそリンクお願いいたします。
そういえば用心棒さんがコメントでトムさんのブログ再開に触れてらした。
こちらこそ、よろしくお願いいたします。
リンクさせていただきますね(ペコリ)
Commented by Tom5k at 2008-05-25 22:03
>koukinobaabaさん、わざわざコメントありがとうございます。
何とか再開できましたが、まだ寝ぼけた状態が多く、何やってんだか言ってんだか自分でもわからなくなることも多いです。
そういうときは、起してやってください。
まだまだ情報不足、観賞不足は否めません。少しずつ視野を拡げて楽しみながら更新していきます。
では、また。
Commented by Tom5k at 2008-05-25 22:20
>シュエットさん、早速のコメント・TBありがとう。
>オカピーさんや用心棒さんとは・・・
あの人たちが、一番わたしを熱くさせるんですよ。視野が拡がり、新しい何かが発見できることが多いです。また、わたし自身の自己顕示欲も適度に満たしていただけるんですよね。ありがたいことです。
>「鬼火」・・「影を殺した男(William Wilson)」・・・
ともにとても、素晴らしい作品であると思います。「死刑台のエレベーター」を踏まえるとなおさら。そして、わたしの場合はアラン・ドロンの背景を踏まえると、おっそろしくフランス映画の大きな流れが鮮明になってくるように思うんです。
>私なんかは映画を感覚的・・・
基本は感覚なのだと思います。シュエットさんのブログにお邪魔させていただきましたが、フランス映画のカテゴリではほとんど「ヌーヴェル・ヴァーグ」以後ですものね。「新しい波」以後の鮮烈な映像感覚を感受できる感性をお持ちの方と察しています。うらやましいですよ。
>用心棒さんがコメント・・・
お教えくださってありがとうございます。早速、さきほどお邪魔してきました。
こちらこそよろしくお願いいたします。
では、また。
Commented by mchouette at 2008-05-26 06:10
どうでもいいことなんですけど…
ネームカード見ましたら、トムさんもAB型なんですね。
AB型となると、同じAB型として「一緒だ!」と言う気になってしまう。
いや、別にそれだけなんですけどね。あらためてAB型のシュエットです。
よろしくお願いいたします。
Commented by Tom5k at 2008-05-26 21:44
>シュエットさん、こんばんは。
おおっ!シュエットさんもAB型ですか!AB型は、自分でいうのも何なんですが、天才だそうです(笑)。何が根拠か知りませんが・・・。
また、二重人格でもあるそうです。でも、アラン・ドロンは確かAB型では無かったな???
自分ではわからないんですが、わたしは、よくAB型の典型といわれるので、きっと天才で二重人格なのだと思います。
ところで、シュエットさんは、女性ですよね。ブログ上記のバイオリンを持った男性がシュエットさんだと思ってました。すみません。
では、また。
Commented by オカピー at 2008-05-27 03:05 x
TB貼り逃げしておりました。

トムさんが杳として行方の知れぬ今年の初め(笑)、世界文学全集のポーの巻を借りることがあり、その中に「ウィリアム・ウィルソン」がありましたが、結局読まずに帰してしまいました。で、結局何を読んだのだっけか(笑)。いつかチャンスがあれば読みたいと思います。
勿論映画版もまた観てみたい。二回観ていますが、大昔のことになってしまいました。

用心棒さん共々私の名前が・・・
刺激になっているとか視野を広げるとか、面映ゆい文言の数々に恐縮してしまいますが、一番嬉しいのは、弊ブログを介して、シュエットさんがトムさんや用心棒さんとお知り合いに慣れたことですね。こうして映画ファンの輪が広がって行くのは大いに結構なことです。

僕はviva jijiさんと同じB型です。性格は少し違うみたい?
Commented by mchouette at 2008-05-27 21:10
トムさん、AB型のご挨拶代わりに先日ブログ開設1年の記事をTBさせていただきます。こんなアホな乗り方もAB型みたい(私は…です)。アラン・ドロンに拘ったトムさんのブログ。これからぼちぼちと読ませていただきますね。随分と観たい作品が多そう。
Commented by Tom5k at 2008-05-27 23:39
>オカピーさん、いらっしゃい!
『ウィリアム・ウィルソン』は、デュヴィヴィエ作品、トリュフォー作品、文学作品、ドロンの二重自我等々、オカピーさんの嗜好にぴたりとくるところも多いと思います。
ぜひぜひ再見を。
>シュエットさんがトムさんや用心棒さんと・・・映画ファンの輪が・・・
いやあ、うれしいですね。
刺激うを受けるのが、とても。オカピーさんのお友達ですから、安心ですし。ブログの記事にしても、お友達にしても、オカピーさんの誠実なお人柄をあらためて察するところです。
ほう、オカピーさんも姐さまもB型でしたか?いや、ご性格も似ているところもあるかもしれませんよ?意外な共通部分てあるものです。
では、また。
Commented by Tom5k at 2008-05-28 00:08
>シュエットさん、こんばんは。
>アラン・ドロンに拘った・・・
というより、偏ったといったほうがいいかもしれません。生意気で誤ったことも多いかもしれませんし、ファンゆえ、どうでもいいことに必要以上の付加価値を追求していたりしてます。
では、また。
Commented by みのり at 2008-05-28 10:55 x
トムさん、お久しぶりです。  TB有難うございます。  私の場合、あまり深く考えず、感覚的にしか作品を鑑賞できないので、一度ではよくわからないことが多いので、時々読み直させていただこうと思っています。
「死刑台のエレベーター」は大好きな作品なのですが、好きなものって(どう書いていいのか分からなくなって)、感想を書くの躊躇ってしまって未だに書けずにいます。 
Commented by Tom5k at 2008-05-28 22:56
>みのりさん、こんばんは。
また、みのりさんの地道で素直なブログ記事を読ませていただきますね。最近のみのりさんの記事は、山本薩夫、ジャック・タチ以外は、ほとんど2000年代の作品ばかりですね。
映画館まで行かれてたものなのですか?
わたしは相変わらずDVDで古い映画ばかり・・・です。
古い映画を映画館で観たいんですよねえ。それこそ『死刑台のエレベーター』なんか、劇場で観たらワクワク・ドキドキだと思います。
では、またね。
Commented by mchouette at 2008-05-31 00:39
トムさん、「太陽がいっぱい」にもTBありがとうございます。こちらの方はのちほどTBもって改めて…
そして本作。2日続けて観てしまった!ウィルソンの物語は一度目より二度目がさらに面白く惹かれました。3つの物語に共通して問われる神の存在がひっかかったまま文章にしている間に、あれこれ書いてしまい、もっと簡潔にと思ったけれど、まとめ切れないから、えいやっ!で記事アップしてTBもってきました。
神と自我の確立…そこからおのずと第1話と2話以降の主人公達の苦悩とその死は違っている。そんなことを書き出したらすっかり日付が変わってしまって。
ヴァディムの作品は酷評が多いけれど、この作品を一つの物語としてみると、このトーンと内容でいいと思う。
最後グダグダ書いてますが、これで俄然ルイ・マルの「死刑台のエレベーター」「鬼火」そして「ウィルソン」と振り返れば、やはりとても興味深い!
どっかで3本通してみたい誘惑で疼いています。ありがとうございました。こういう刺激は嬉しいわ。
Commented by mchouette at 2008-05-31 00:44
トムさん、まずはじめにお断りしないといけなかったのに!
追記でごめんなさい(ペコリ)
勝手にお名前紹介と、記事の説明までもしております。
文章で不備や捕らえ違いあったら言ってくださいね。早急に訂正させていただきますから…(冷汗)
Commented by ジューベ at 2008-06-01 12:10 x
先日はコメントいただきありがとうございました。ブログを再会され,また充実の記事で感服してしまいました。
『世にも怪奇な物語』,子供の頃,テレビの洋画劇場で何度も放送されており,その度に観てました。数年前にもBSで放送され,バディムの第1話を飛ばして観ました。この時代ってオムニバス流行ってましたね~。確かに「プロデューサーの映画」だし,映画作家としては商売優先の不満な作品ということになるのでしょうね。
『ウィリアム・ウィルソン』がルイ・マルの監督作だったというのは記事を読ませていただくまで実は意識していなかったです。(^^; 個人的にはフェリーニの第3話・美少女の悪魔が出てくる話がいちばん好きで,バディムの黒馬の話はつまらなくて何も印象に残っていないのですが・・。『ウィリアム・ウィルソン』については,子供時分から,その奇妙な名前と「冒頭からすでにラスト」みたいな映像感覚が脳裏に焼きついていますから,印象深かったのだと思います。
ほとんどアラン・ドロンだけみたいな作品で,派手さはないですが,記事を読ませていただいて舞台裏を知ったら,もう一度じっくり観たくなりました。
また,よろしくお願いいたします。
Commented by Tom5k at 2008-06-01 15:32
>シュエットさん
おお、「2日続けて」ですかあ?!それは凄いですねえ。
しかも、二度目がさらに面白かったとのこと。素敵なことですね。用心棒さんも何度も同じ作品を観ることが大切だと言っていましたが、まさに早速の、その実践のような気がします。
>3つの物語に共通して問われる神の存在・・・
これは、気にしておりませんでした。言われてみれば、おっしゃるとおりですね。
予定されていて、実現されなかった他の逸話も中止になって惜しいです!きっと、一貫したそのテーマだったんだろうな。
>ヴァディムの作品・・・。
わたしも、世評に対して少し弁護したいんですよね。印象度の弱さなのかな?じっくり鑑賞すると、この作品も素敵だと思っています。
でも、本当に、こういった交流が機会になってご覧になっていただいて、すごくうれしいです。
>お名前紹介と、記事の説明・・・
うわあ、取り上げてくれてありがとう。とてもうれしいです。気に入った映画で、かつ、わたしの記事で良かったら、どしどし使ってくださいませ。
では、後ほどお邪魔しますので、よろしくね。
Commented by Tom5k at 2008-06-01 16:28
>ジューベさん。お元気そうで何よりです。
>『世にも怪奇な物語』
ご覧になってらしたんですね。
ジューベさんが、ヌーヴェル・ヴァーグ以後の作品をご覧になっているということに、驚いてしまいました(笑)。
>「プロデューサーの映画」
この時期は、ヌーヴェル・ヴァーグも落ち着いてきてしまって、彼ら自身も模索の時期だったんでしょうね。トリュフォーも旧時代風になっていったころのようです。しかも、その派の俳優たちがスター・システムに乗り、更にアラン・ドロンが帰仏した時代ですから・・・。
>『ウィリアム・ウィルソン』がルイ・マルの監督作
意外なようで、意外ではないような気がします。むしろドロンを使ったことが意外ですけど・・・。
>フェリーニの第3話・美少女の悪魔が出てくる話・・・
圧倒的な存在感がありますよね。子供のころに観て、夜眠れなくなったことを思い出します。
では、また。
Commented by トールバズ at 2008-06-03 02:43 x
いやー、復活されて何よりです。
かわいい動物の写真にシャレの様な一言コメントばかりの糞みたいなブログ
ばかりの中、こういう骨のあるブログが更新されて、うれしい~いです。
まして、その中に「死刑台のエレベーター」が来るとは・・・

我が文章の師、ハードボイルド作家の原尞氏もこの映画は、
観るたびに驚きと新たな発見があると言ってました。
戦慄的な映像美、研ぎ澄まされたM・デイヴィスのジャズ・・・・
「天井桟敷の人々」同様に演劇、映画の関係者、これほどまでに
インパクトを与えた映画も、珍しいでしょう。
アラン・ドロンへの文章も相変わらず冴えてるし

ぼちぼちの更新、お願いしますよ、いやホントに
Commented by Tom5k at 2008-06-04 23:48
>トールバズさん、コメントありがとう。
トールバズさんからのお褒めのお言葉は、とてもうれしいです。
そして、「死刑台のエレベーター」は、本当に素晴らしいですよね。フランス映画ばかりが素晴らしいわけではないのだけれど、多くの矛盾を含みながら、フランス映画の流れって、本当に感動的です。
>ぼちぼちの更新・・・
ははは、もともとノロマなわたしの更新ですが、地道にやっていきます。
トールバズさんのところには、また、コメントさせてもらいますよ。素敵なブログ記事がおおいですからねえ。
では、また。
Commented by 徳丸虎龍 at 2008-06-08 20:35 x
トムさん、こんばんは。
今度NHKのBS2でルイ・マル監督の特集があるらしいので、『鬼火』を拝見しようと思います。…といっても録画するので、鑑賞がいつになるかはわかんないけど(笑)。
Commented by Tom5k at 2008-06-08 20:57
>徳丸さん、こんばんは。
おお、そうですか?マルの特集ですか。わたしの記事はタイムリーだったかもしれません(偶然ですけど)。
是非、観てみてくださいよ。徳丸さんなら、あの深刻な「鬼火」を斬新で独自な視点で解釈できるはずだっ!徳丸さんのレビューがとても楽しみです。
『影を殺した男』の
>アランくんが一人で大騒ぎして、一人で建物から落っこちるまでを描いてます。
このような案外、本質を突いた感想、わたしのつぼに間違いなくはまっています。しかも、このアランくんは「鬼火」の主人公の流れにあるんですよ。
なぜ、ひとりで大騒ぎしていたのか?なぜ、建物から落っこちるまで(原作にはないんですよ)を描いたのか?そのヒントが「鬼火」にはあるのですよ。
では、また。
Commented by オカピー at 2008-06-15 23:44 x
TB&コメント有難うございました。

「鬼火」が公開されたのは東京時代ですから映画館で二回ほど観ていますが、「鬼火」だけに鬼気迫り(笑)、圧倒されましたね。
同じ頃「恋人たち」も観て、流麗なタッチと濃艶なムードを堪能しました。「死刑台のエレベーター」と併せて、モノクロ映像の凝視性はとにかく凄いと思わせます。
昔から感じておりますが、その点カラーはやはりどこか散漫になるとは思いませんか。

70年代前半に2回観た「世にも怪奇な物語」に関しては完全に<おいてけ堀>を喰らっておりますが、いつか観直してやりますぞ。
Commented by Tom5k at 2008-06-16 01:23
>オカピーさんっ!いらっしゃいませ。
オカピーさんの『鬼火』の高評価は、うれしかったですし、驚きでもありました。
>映画でしか表現しえない方法で一人の人物の心情を顕微鏡で覗き込むように緻密に描き出した・・・
ほんとに凄い映像術というか・・・
やっぱりヌーヴェル・ヴァーグって素晴らしい作品を生み出していますよね。
>カラーはやはりどこか散漫・・・
おっしゃるとおり、わたしもそう思います。何故でしょうね?もしかしたら人間が頭の中で、映像で想像するときに色がついていないからかもしれません(ついてましたっけ?)。
視覚にうったえるのは、場合によってはカラーかもしれませんけど、心にうったえるときはモノクロームが説得力がありますね。『天国と地獄』のパートカラーのような使い方も素晴らしいし、いろんな工夫ができそうですね。
『ゴッドファーザー・パートⅡ』のフラッシュ・バックのセピアカラーの映像やメルヴィルのブルートーンも素晴らしいです。
逆にジョセフ・ロージーなんて、見終わった後カラーだったかどうか自信がなくなります。
>『世にも怪奇な物語』、オカピーさんの客観評、是非読んでみたいです。
では、また。
Commented by ヘンリー at 2008-06-16 22:18 x
>トムさま
ご無沙汰しております。最近はすっかり日記のようになった私のブログですが、TB+コメントありがとうございます。
トムさまのブログはいつも通り素晴らしい内容ですね。『世にも怪奇な物語』は未観です。今度観てみます。
では、また!
Commented by Tom5k at 2008-06-16 23:42
>ヘンリーさん、こんばんは。
>最近はすっかり日記のように・・・
ブログ自体日記ですものね。
でも
スペイン・ベルギー・台湾・韓国・カナダ・南ア・スウェーデンなど各国多岐にわたって映画を観られていることは、とても貴重なことのように思いますし、そいうったご経験をブログ上で公表されていることは、意義深いことだと思います。
是非、そういったPRを続けていってください。
では、また。
Commented by vivajiji at 2012-04-07 17:49 x
こんにちは~(あ、今晩は~ですかしら)^^
当方の稚拙な記事にお立ち寄りありがとうございました。
素晴らしい記事にも、コメント群のにぎわいの様にも、
ただの映画好きの私みたいな者が参上するなんて誠にもって
ずーずーしいのも甚だしいのでなるべくなら早めに退場
いたしたいところでございますが、マルとドロンの微妙な力関係
から生み出された「影を殺した男」に関する文章は
やはり興味深いものがありますね~
今度あの映画を観た折には先回とはまた違った印象に
当方の心に必ずや映る、そんな気持ちを強く持ちました。

ところで斎藤耕一監督は存じておりますが
南俊子氏、往年映画雑誌の批評などで名前だけは
見知っておりましたが実際よく覚えておりません。
この方がキライと気持ちよ~く断言(笑)なさっていたトムさん、
三等外野席はその意図するところなどぜひ知りたい。
ご面倒でしょうが、かいつまんで、こっそり、教えて下さいませ。
(^ ^)
Commented by Tom5k at 2012-04-08 00:26
姐さま、いらっしゃいませ。
最近は、やっぱり仕事が忙しくて、ブログ記事アップもできなく、シュエットさんやオカピーさん、用心棒さんのところにすら行ってない無縁ブロガーになっておりました。DVDは小津安二郎や成瀬巳喜男・・・『書道ガールズ』や『武士道シックスティーン』などのガールズものなどを良く観ておりますよ(キモイですね(笑))。
「影を殺した男」は、ドロンがハリウッドでの失敗から帰仏時にマルに働きかけて制作された作品のようです。ドロンのいやらしさ(それが魅力的なのですが)が極限まで表現されていると思います。

>南俊子氏
ドロンのファンを代弁し過ぎて彼のイメージを硬直させてしまったような気がして・・・。
ファン代表ならまだしも・・評論家としての責務を全うされなかった方だと思います。
素晴らしい作品をワーストに持っていったり、その根拠に専門性の欠片も無かったり、その影響力からも、わたし(ドロン・ファン)としては、最も嫌いなドロン専門家です。
彼女の前には秦早穂子氏が多くのドロン批評をされ、そこには彼への批判的な意見も多くあるのですが、わたしは彼女の方が好きです。
では、また。
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