『地下室のメロディー』③~我々の世代交代~

 札幌より140㎞ある自宅に帰宅していた平成24年10月13日(土)、久しぶりに中学生時代のクラスメート6名が集まってミニクラス会を開きました。男子4名、女子2名・・・。
 年齢の割に精神年齢の若い(幼い)彼らは、想い出話にしんみりするような殊勝な気持ちは持ち合わせておらず、お互いをコケにし合ったり、社会問題で真顔で憤っていたすぐ後にカラオケを歌いまくったり、スナックで隣席した他の客と意気投合して騒いだり、相変わらずチャランポランな風情でした。
「だから、世の中が良くならないんだ」
と思っているわたしでしたが・・・同じようなものかもしれません・・・。

 一次会の居酒屋では、高校時代に何度か会って以来の友人Bに30数年ぶりにゆっくり話すことができました。彼は現在小さな会社を経営しているそうです。
 わたしのような呑気なサラリーマンに、小規模とはいえ会社を経営している彼の苦労など想像することすらできるわけがないのですが、彼とは中学2年のときに親しくしていた間柄であったので、昔話には会話がはずみました。

トム(Tom5k)
>そういえば、おまえさ、歴史のテストのとき、日本が開国したときの日米修好通商条約の不平等条約の内容を問われた問題で、「関税自主権」と「治外法権」と単語だけ書いて、正解を貰えなくてくやしがってたよな。
友人B
>それ、おれか?

とか。

トム(Tom5k)
>沢田研二の「サムライ」が好きで良くレコードかけてたよな。
友人B
>おまえもピンク・レディーが好きでコンサートに行ってただろ。

※注~私は中学生の頃、ピンク・レディーのミーが大好きでした。特に好きな歌は『カルメン』、『ウォンテッド』、『サウスポー』・・・。

とか、他愛の無い想い出話ばかりだったのですが、友人Bとは当時リバイバル公開されていた『地下室のメロディー』を一緒に観に行ったことがありました。

友人B
>そういえば、おまえと映画行ったよな。
元女子Y
>あんたらふたりで何を観に行ったのさ。(小馬鹿にした笑い顔)

途中で横から、当時の友人の元女子Yから横やりが入ったのですが、

友人B
>おまえ、アラン・ドロン好きだったから、『地下室のメロディー』だったよな?銀行強盗した札束が最後に海に浮いてくるやつよ。
元女子Y
>二人で行ったの?キモ~イ。きゃははは。(爆笑)

わたしは元女子Yを気にかけずに・・・

>うわぁ、よく憶えてたな!
だけど、銀行じゃなくで盗みに入ったのはカジノで、札束が浮いてくのは海じゃなくてプールだけどな。
友人B
>そっか、プールだったか、白黒だったよな。三本立てでよ。
トム(Tom5k)
>おまえ、ほんとによく憶えてるな。

※注~併映の2本については記憶が定かではなく、確か『アウトローブルース』か『トラック・ダウン』か『ファール・プレイ』か『相続人』のうちのどれかだったとは思います。

アウトロー・ブルース [VHS]

ワーナー・ホーム・ビデオ



トラックダウン【字幕版】 [VHS]

アルバトロス



ファール・プレイ [DVD]

パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン



相続人(ジャン・ポール・ベルモンドの) [VHS]

バンダイビジュアル



元女子Z(もう一人の出席者の元女子)
>ねぇどっちから、誘ったの?
友人B
>アラン・ドロンの映画だからな、トム(Tom5k)に決まってるだろ。
全員
>そりゃあ、そうだ。
※注~トム(Tom5k)はブログネームですから、この会では私の本当の名字で話しています。

 わたしが当時からアラン・ドロンに夢中であったことは、友人たちの間でも有名で、例年のクラス会でも必ずそのときの話題になってしまうのです。
 そして、わたしは胸を張って言うのです。

>今でも大ファンだ。

 当時、中学生であったわれわれも、現在では40歳代も最後の年齢になってしまいました。ひょっとすると、『地下室のメロディー』のアラン・ドロンが演じたフランシスは、我々の部下たちの中でも若い方の世代になっているかもしれません。


【旧い世代は、つかれてきたとはいえ、なお依然として勢力はあるし、若い世代は、ぐんぐんのびてくる。二人はそこで、どうしてもぶつかりあわなければならない。だから「地下室のメロディー」のストリーは、その意味からも、大変面白い。老ギャングは、寄る年波にはあらそえなくて、若者の力に助力をあおぐのだ。若者の方は、これが金になるんなら、うまい生活への糸口なら、願ってもないこと。お互いが必要なのである。だから、若いフランシスが、ドジをふんで、すべては見果てぬ夢におわったとき、おそらく老ギャングの胸のうちは、若いものに対する怒りではない。自分も年とったもんだ、もうどうやっても芽はでっこあるまいという自嘲だったろう。フランシスのほうは、人生ではじめてあう挫折感である。挫折を感じる以前の茫然自失といったらよいかもしれない。そしてこの役柄は、実は、ジャン・ギャバンと、アラン・ドロンの存在を、象徴的に示しているようにも思う。(-中略-)全く異質な人間が、ある一作の中で、すれちがった。ひとりはそこに止まって、栄光のバトンを手渡し、ひとりはそのバトンをもって、夢中でかけ出す。明日という日へ向かって-。】
【スクリーン1963年11月号「ギャバン対ドロン」秦早穂子】


やはり会社を経営しているもう一人の友人Oは、

>使うより使われている方が、よっぽど楽だよな・・・。
友人B
>まったくだよ。

と・・・。

友人O
>若い奴は知らないだけなんだよ。必要なことは言い続けて行かなきゃだめなんだ。でないと良くなるものも良くならないんだ。

 『地下室のメロディー』でも、ジャン・ギャバンが演じたシャルルの立場からは、女にも時間にもだらしのないフランシス、その兄ルイも怖じ気づいて仕事が終わったら二人に見切りを付けて離れていきます。

 我々も、そろそろジャン・ギャバンの演じた老ギャングの感覚に近くなってきているのでしょうか?あと5年も経ったら、この『地下室のメロディー』を鑑賞しても、ジャン・ギャバンへの感情に共感することの方が多くなるのかもしれません。


 それにしても、一緒に飲んだ元女子二人は、揃いも揃って・・・

>あんたら二人で映画って・・・よっぽどもてなかったんだねえ。あっはは。
>何でわたしたち誘わないのさ!わたしたちなら付き合ってやったのに。ばっかだねえ。


 とても、『地下室のメロディー』でシャルルの妻を演じたヴィヴィアンヌ・ロマンスの域に辿り着いているとは思えないんですが・・・。


 しかしながら、わたしは今年正月に開催されるクラス会も、今から楽しみになってきていることも正直な気持ちなのでした。
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by Tom5k | 2012-10-21 18:13 | 地下室のメロディー(5) | Trackback | Comments(4)

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Commented by 用心棒 at 2012-12-29 01:20 x
 こんばんは!

今年も残すところあとわずかとなってしまいましたが、なかなか仕事の残務整理がつかず、貧乏暇なしを地でいっております。

なかなか更新もはかどらず、というよりも映画を見ること自体が難しくなっておりますが、綺麗な映画を見て、荒んだ心を洗おうと思っております。

年末年始もかなり寒くなりそうですが、お体をご自愛ください。後輩が蟹を送ってきましたので、蟹鍋でもつつきます!

良いお年を!今年一年ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。
Commented by Tom5k at 2012-12-30 21:36
>用心棒さん、こんばんは。

わたしも貧乏暇無しです。全くへとへとなんですが、ようやく年末年始の見込みをつけましたよ。

>綺麗な映画を見て、荒んだ心を洗おうと・・・
わたしも全く同感です。

近所のツタヤで、「黄金狂時代」、「アメリカン・グラフィティ」、小津の「東京暮色」、大島渚の「悦楽」など、借りてきました。全く脈絡の無いエントリーですが・・・(笑)。

>蟹鍋
おおっ!良いですね。わたしも若い頃、東の果て、根室の勤務がありましたが、当時は蟹三昧でした。今思えば幸せな食生活でしたよ(笑)。

では、良いお年を!
また来年もよろしくお願いいたします。
Commented by 武田 at 2013-01-04 20:13 x
トムさん、あけましておめでとうございます。
ご無沙汰ばかりですが、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
お正月のクラス会はいかがでしたか?楽しそうですね。
私は転勤族だったのでなかなかクラス会に出席することができないのですが、出欠を聞いてくれるというのがしみじみありがたいなあ♪と思います。
2013年が素敵な年になりますように。
Commented by Tom5k at 2013-01-12 12:36
>武田さん、あけましておめでとう!
クラス会は、とても楽しくて、うれしいものです。同じクラスの仲間たちが、苦労しながらも頑張っている姿を見て勇気づけられますよ。
映画(特にアラン・ドロン)も、観てはいるのですが年末年始も忙しくて・・・。
最近は久しぶりに「暗殺者のメロディ」を観ました。
音楽ではヴェルディの「アイーダ」のDVDを購入してしまいましたよ。これは本当にとっても素敵です!

また、武田さんのブログにもお邪魔しますね。
では、今年もよろしくお願いしますね。